小腸、大腸を中心に、原因不明の潰瘍が、飛び飛びに発生する病気です。
小腸は食べ物の栄養を吸収する臓器で、現在のところ移植は不可能なので、欧米でも重大な難病と、とらえられています。
主要な症状は下痢や体重減少で、小児期の発病では栄養不良から発育障害がみられることもあります。痔などの肛門病変を高い頻度で伴い、口、食道、胃に潰瘍が出現することも、まれではありません。
眼症状(ブドウ膜炎、強膜炎)、関節炎、皮膚潰瘍にも注意が必要です。
症状から疑い、内視鏡検査、レントゲン造影検査、採血などから診断します。
クローン病では腸が細くなっている(狭窄といいます)ことが多いので、造影検査の際、普通の患者さんに行なうようなバリウムは使えません。かならず液体の造影剤を用います。
他院で検査を受けられるときには、確認されることをお勧めします。
潰瘍性大腸炎と同じく5ASA製剤、ステロイド、免疫抑制剤も治療に使われますが、レミケード(抗TNF-α抗体製剤)が登場してから、重症の方でも劇的に改善する例が増えてきました。
軽症、中等症の方は、エレンタール(成分栄養療法)も有効な治療で、今後、自己注射可能な抗TNF-α抗体製剤も、利用可能になる見通しです。
当院の宮田充樹は十年以上にわたって多数のクローン病患者さんを診療しており、厚生労働省の研究班のメンバーも務めておりましたので、安心して受診ください。
また、セカンド・オピニオンも提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
活動期(下痢がある時期)には、刺激性飲食(アルコール、唐辛子など)や乳製品を避けましょう。
エレンタール(成分栄養剤)が抵抗なく飲める方は、腸への負担が軽くなるので積極的に摂取しましょう。寛解期(症状がないとき)には、潰瘍が治ったキズで腸が細くなり、腸閉塞(腸のなかが詰まってしまう)になることがあります(下記写真をご参照ください)。
下痢がないのに、腹痛や吐き気を感じたら、早めに受診しましょう。
CCFJ(NPO法人日本炎症性腸疾患協会)が出版した
「潰瘍性大腸炎 患者が本当にききたいこと」
「クローン病 患者が本当にききたいこと」で
紹介された宮田病院(宮田充樹)は、当院の旧名です。
現在は「医療法人大樹会 宮田医院」となっておりますので、ご注意ください。