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小児の便秘症

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小児の便秘

便秘を訴える子供は、意外と多いものです。そのほとんどは病気でなく、医学的な意味での便秘症ではないこともあります。排便が、たとえ数日に一度でも、便の硬さが正常で、長くトイレに座るなどの困難がなければ、便秘症ではありません。
逆に、毎日数度の排便があっても、便が硬くときに出血を伴う場合や、三十分以上トイレに座り子供が苦痛を訴える場合は、治療の対象になります。
神経や腸の病気などが疑われる場合は、その検査・治療を優先しなければなりません。

乳児期(0ヶ月~一歳)

母乳栄養児の場合、一ヶ月くらいまでは一日に数度の水様便がオムツに出ても、二ヶ月目になると排便回数が減少することはよくみられます。
数日に一度でも、便が極端に硬くなったりしていなければ、処置は不要です。
人工乳を増やしたり、浣腸を行ったりすることは、必要ではありません。

幼児期(~六歳)

高たんぱく食、牛乳の過剰摂取、野菜不足、過小な食事量など、食事製の便秘が多くみられる時期です。
なるべく毎朝十分はトイレに座る習慣をつけるようにしましょう。

学童期(七歳~)

食事に加え、社会的な要素が加わってきます。学校で便意を催しえも「トイレに行きたい」といえず我慢する癖が付いてしまう、などというものです。
また、最近は朝食摂取の不安定化に伴い、朝の排便習慣がついていない子が多いのも、その範疇に属します。

※治療

便秘症と診断された場合、治療は3ステップです。

まず排便の習慣をつけ、便意がなくてもトイレに十分程度は座らせるようにします。
乳児の場合は粉ミルクの水分を少し増やしたり、水あめを舐めさせたりします。
年長になれば、野菜やイモ類、便を出しやすくする果物類(あんず、プラム、パイナップルなど)を与えましょう。

上記を試しても定期的な排便がない場合は、乳幼児なら綿棒やこよりで、それ以上の子は指で肛門を刺激します。これを適切な頻度で行えば、良好な排便が得られる子も多くみられます。

これらを試しても、便が極端に硬い、排便がなく食欲が落ちたりおなかの張りを訴える、といった症状がみられる場合、薬物療法の適応となります。
酸化マグネシウム製剤(粉:便を軟らかくする)、大腸を刺激する水薬などを、成人の1/4~1/3服用させます。頑固な便秘には座薬(肛門から挿入し便を出しやすくする)も有用です。

子供の便秘でお困りの方は、ご来院ご相談ください。

一般内科・小児科・胃腸科は、名古屋市西区の宮田医院へ