大腸を中心に原因不明の炎症が起こり、下痢、血便、下血(血のみが排出される)、
腹痛などの症状がみられます。関節痛や皮膚の症状を伴うことも、まれではありません。
頻度は高くないものの、眼にも症状が出ることがあるので、定期的な検診をお勧めします。
症状からこの病気を疑い、内視鏡検査(細胞も採取して調べます)、採血などから診断します。
ここで、患者さんとして注意しなければならないことを、ひとつ挙げておきます。
潰瘍性大腸炎の診療経験が乏しい医師だと、普通の患者さんと同じような前処置(下剤や液体を飲んで、腸をカラにする)を行なってしまう、という点です。
潰瘍性大腸炎では腸が炎症により過敏になっていますので、このような前処置で病状が悪化することが多く、なかには下剤服用後に、緊急手術になった例もあります。
検査を受けるまえの段階で、「潰瘍性大腸炎では、前処置は少なくていいと聞いたことがある」と医師に告げるのがベターでしょう。
治療としては5ASA製剤(サラゾピリン、ペンタサ、アサコール)、ステロイド、免疫抑制剤(イムラン、アザニンなど)、白血球除去療法、全大腸切除術などがあります。平成28年⒓月から、新たな5ASA製剤であるリアルダ錠が投与可能になりました。一日一回服用で、効果はアサコールなどに対して同等以上とされています。
軽症(一日に排便が二、三回で血はほとんどみられない)から、重症(一日に十回以上血便があり、入院が必要)まで、さまざまな患者さんがいらっしゃるのも、潰瘍性大腸炎の特徴のひとつで、個々の患者さんに合った治療の選択が重要です。(※下記写真をご参照ください)
当院の宮田充樹は十年以上にわたって多数の患者さんを診療しており、厚生労働省の研究班のメンバーも務めておりましたので、安心して受診ください。
また、セカンドオピニオンも提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
食べ物では、アルコールや刺激物(唐辛子、カレー、ワサビなど)、油分が多いもの(揚げ物や焼き肉)、乳製品(牛乳、バター)などで悪化することがある、とされています。
生活では睡眠不足を避け、なるべくストレスのない生活を送るのがいいでしょう。
この病気にかかって、治らないまま十年が経過すると、癌の発生率が上がるとされています。
そのような方は、定期的に内視鏡検査を受けることを、お勧めします。
たくさん、いらっしゃいます。
適切な治療を受ければ、三割ほどの方は、アサコールやペンタサ注腸を続けながら、潰瘍性大腸炎になる前と、ほぼ同じような生活を送っていらっしゃいます。
当院で症状が改善され、その後子供をもうけることが出来た方も、まれではありません。
ひとつ、気をつけていただきたいことは、メタボリック症候群です。
潰瘍性大腸炎が完治すると、体は栄養分を溜め込もうとします。そのため、下痢が始まる前と同じような食生活を送っていると、どんどん脂肪が貯まってしまいます。
潰瘍性大腸炎による飢餓状態を、体が覚えてしまったためと思われています。
当院ではそのような場合、コレステロールや糖分を降下させる薬を、投与しています。
CCFJ(NPO法人日本炎症性腸疾患協会)が出版した
「潰瘍性大腸炎 患者が本当にききたいこと」
「クローン病 患者が本当にききたいこと」で
紹介された宮田病院(宮田充樹)は、当院の旧名です。
現在は「医療法人大樹会 宮田医院」となっておりますので、ご注意ください。